令和4年度重要技術管理体制強化事業(安全保障上重要となる機微技術の流出防止に係る調査)調査報告書

掲載日: 2023年9月1日
委託元: 経済産業省
担当課室: 貿易経済協力局貿易管理部安全保障貿易管理政策課技術調査室
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報告書概要

この報告は、我が国の安全保障上重要な機微技術の流出防止に関するリバース・エンジニアリング対策について調査した報告書である。リバース・エンジニアリングとは、装備品等の複製や模造品製造、同等以上の能力を有する装備品開発、能力推定や弱点把握のため、対象装備品及び関連技術に関する重要技術情報を窃取する行為である。窃取対象となる情報は、ハードウェアでは形状、成分、材質、加工精度、構成機器配置、電気的特性、光学的特性、電子回路パターン等の設計データ及び製造プロセスパラメータであり、ソフトウェアではプログラムのオブジェクトコード、運用データ、周波数テーブル、制御則データ等である。装備品に組み込まれる電子装置に対するリバース・エンジニアリング手法として、筐体分解による制御基板モジュール取り出し、非破壊高精度計測による回路配線パターン読み取り、サイドチャネル攻撃による暗号鍵取得、ICチップ端子プロービングによるバイナリーデータ取得、ソフトウェア解析ツールによるバイナリーデータからのソースコード取得等が挙げられる。ハードウェアのリバース・エンジニアリング技術では、3Dスキャナやレーザー計測等による非破壊精密形状・構造分析、X線CTや超音波による内部構造解析が行われ、これらは一般的な製造業での品質管理技術として使用されているものである。このような脅威に対する防衛技術協会による最新の国内外における対策状況の調査結果をまとめたものとなっている。