令和4年度産業経済研究委託事業(サステナビリティ情報開示の海外動向等に関する調査)調査報告書

掲載日: 2023年9月28日
委託元: 経済産業省
担当課室: 経済産業政策局企業会計室
元の掲載ページ: 掲載元を見る
令和4年度産業経済研究委託事業(サステナビリティ情報開示の海外動向等に関する調査)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、サステナビリティ情報開示の海外動向等に関する調査について書かれた報告書である。近年、投資家からのサステナビリティ情報に対するニーズが高まる中、IFRS財団の下に国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が設立され、2022年3月にはサステナビリティ関連財務情報開示の全般的要求事項と気候関連開示に関する公開草案が公表された。本調査では、主要国及びISSBのサステナビリティ情報開示制度に関する週次動向調査、EU・英国・米国等の関連公表物の調査・分析、特定テーマの調査・分析という3つの業務を実施した。ISSB公開草案に対する約1,400件の意見の中から調査対象10団体の意見を分析した結果、GHG排出量や重要性の定義については約9割が賛成又は条件付き賛成であった一方、産業別指標や報告の同時性については意見が割れていることが判明した。EUのサステナビリティ報告基準(ESRS)とISSB公開草案を比較すると、基準構造やGHG排出量の算出方法等で共通点がある一方、マテリアリティに関する考え方ではESRSがダブル・マテリアリティ、ISSBがシングル・マテリアリティの原則を適用するという相違点が確認された。企業のサステナビリティ情報開示タイミングについては、日本企業が2.9ヵ月、米国企業が4.0ヵ月、欧州企業が0.03ヵ月のギャップとなっており、欧州企業が最も短期間での開示を実現している。また、カーボンオフセットや内部炭素価格等の特定テーマについても詳細な国際動向調査を実施し、サステナビリティ関連データプロバイダーの現状と課題についても分析を行った。