令和4年度コンテンツ海外展開促進事業(我が国映画産業の海外展開のための国際共同製作促進事業)事業報告書
報告書概要
この報告は、令和4年度に実施された日本映画産業の海外展開を目的とした国際共同製作促進事業について書かれた報告書である。日本映画は原作・音楽・アニメなどを含む総合芸術として波及効果が大きいコンテンツであり、海外展開の重要性が高まっている。新型コロナウイルス感染拡大による動画配信プラットフォームの成長と労働環境見直しによる持続可能な業界構造への転換が求められる中、2018年に発効した日中映画共同製作協定に基づく認定制度の運用が行われた。本事業では日中協定における取扱機関として認定業務を実施し、国際共同製作ポータルサイトの運営と相談窓口の設置を通じて製作者への情報提供と支援を行った。また東京国際映画祭やTIFFCOMと連携し、日中を含む国際的な視野を持つ関係者による国際共同製作フィルムメーカーズカンファレンスを開催し、製作者間の交流促進を図った。国際共同製作は海外展開の最も有効な手段の一つであり、文化や経験の異なる製作者が集まることで企画から市場展開まで多くの困難に直面するが、政府の継続的支援により製作者が取り組みやすくなることが期待される。今後も映画製作者にとって有効な情報発信の継続と、中国をはじめとする各国との製作者間交流機会の創出が重要である。
