令和4年度産業保安等技術基準策定調査研究等事業(電力設備電磁界情報調査提供事業) 報告書

掲載日: 2023年9月28日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業保安グループ電力安全課
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報告書概要

この報告は、電力設備から発生する電磁界の健康影響に関する情報提供を目的とした令和4年度の調査研究事業について書かれた報告書である。本事業は、商用周波数の電磁界に係る国内外の研究動向、諸外国の規制動向について広く国民に提供し、電磁界の健康影響に対する国と国民との間のリスク認知のギャップを埋め、国民の漠然とした不安感を低減させることを目的としている。

国内外における電磁界に関する研究動向・規制動向調査では、世界最大の電磁界データベースであるEMF-PORTALから2022年に公表された145件の文献を収集し、そのうち56件について詳細な整理を実施した。疫学研究9件、実験研究33件、技術・ドシメトリの研究10件、その他4件に分類された。特に注目すべき研究として、超低周波磁界と小児白血病との関連についてのメタ分析があり、0.4μT超の磁界が小児白血病のリスクを高め得る可能性が示唆されたが、因果関係があるとまでは言えないという従来の結論に変更を迫る新たな知見はなかった。

電磁界の健康影響に関する講演会は、岡山市、岐阜市、京都市、宮崎市、福島市の全国5箇所で開催され、合計573名の申込、459名の参加実績となった。講演内容は、電磁界の基本的な知識、身のまわりの電磁界の影響、国際機関の見解などを中心とし、福島市では総務省による電波の安全性に関する取り組みも紹介された。また、岡山市講演会の様子を動画撮影し、インターネット上で公開することで、より多くの方が講演内容を視聴できるようにした。さらに、パンフレット「電磁界と健康」改訂第20版を発行し、各講演会で参加者全員に配布した。経済産業省ホームページ「電磁界と健康」も改訂内容にあわせて更新し、国民が最新かつ正確な電磁界情報を入手できる環境を整備した。