令和4年度石油・ガス供給等に係る保安対策調査等委託費(自然災害によるLPガス設備の被害に関する予見可能性調査)調査報告書

掲載日: 2023年10月6日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業保安グループガス安全室
委託事業者: 株式会社パスコ
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令和4年度石油・ガス供給等に係る保安対策調査等委託費(自然災害によるLPガス設備の被害に関する予見可能性調査)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、自然災害によるLPガス設備の被害に関する予見可能性について調査を行った報告書である。経済産業省から株式会社パスコが委託を受け、令和4年10月から令和5年3月にかけて実施された調査である。近年激甚化する自然災害において、水害によるLPガス容器の流出や雪害による設備被害が多発しており、今後も同様の被害が発生する可能性が高いことから、被害発生の可能性が高い地域を可視化することを目的としている。

調査では、水害と雪害等の2つの自然災害について分析が行われた。水害については、昨年度作成された1kmメッシュの被害予見可能性マップをより詳細な250mメッシュに精緻化し、過去に被害が発生した3地域を対象として現地調査、関係者へのヒアリング、アンケート調査を実施した。また、この精緻化したマップを全国に拡大するための課題を抽出し、具体的な解決策を提案した。

雪害等については、過去10年程度の被害事例を調査し、地域の地形、気象、建物、設備等との関連性を分析した。この分析結果を用いて全国で同様の条件を満たす地域を抽出し、日本地図上に描画することで視認性を確保した地図を作成した。さらに、現行の告示で定められている地域の妥当性について検証を行った。

調査結果として、水害については茨城県、長野県、熊本県の3地域における詳細な地形・洪水浸水想定区域等のデータが整理され、雪害等については被害を受けやすい地域の分類・可視化が実現された。今後の課題として、データ構築の効率化による全国的な分析精度向上、時系列気象データの適切な取り扱い、LPガス設備被害データのさらなる精査が提案されている。