令和4年度成長型中小企業等研究開発支援事業(中間評価・最終評価に係る評価スキーム等の高度化・効率化に関する調査事業)調査報告書
報告書概要
この報告は、令和4年度成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)における中間評価・最終評価の実施およびその評価スキームの効率化・高度化に関する調査について書かれた報告書である。
中小企業庁が実施するGo-Tech事業では、研究開発支援において事業実施中の進捗状況や実施結果の調査・評価を行うため、毎年約200件程度の案件について外部評価者による中間評価・最終評価を実施している。従来のサポイン事業から継続して行われているこの評価制度について、対象事業者の負担軽減や評価スキームの効率化が課題となっていた。
本調査事業では、令和4年度の評価業務実施と評価スキームの改善を目的として実施された。評価基礎資料のとりまとめ業務では、中間評価201件と最終評価99件について、事業者自己評価シートや事業状況報告資料等の作成依頼と取りまとめを行った。書面評価及び評価ヒアリングの運営業務では、外部評価者を選定し、採択時の審査実施者を優先的に選定することで評価案件の理解度向上を図った。全国中間評価委員会及び全国最終評価委員会については、約10名の委員により令和5年2月にオンライン会議形式で開催された。
調査・検証業務では、現行評価スキームの課題として、多種評価の同時進行による混乱、評価基礎資料様式のイレギュラー対応による記述内容のバラツキ、メールでのやり取りによる混乱、ウェブ評価会での匿名性担保の困難さ、審査業務との連携不足などが明らかになった。特に令和4年度2回目採択案件については、採択後間もない評価のため評価点なしでコメントのみの特別様式を用いたことで、外部評価者による適切な評価に必要な情報が不足する結果となった。
効率化・高度化に向けた方向性として、評価開始・締切時期の調整は困難であるが、審査業務との一体的実施、ICTツールを活用した書面評価票回収方法の改善、匿名性を担保できるウェブ会議システムの検討、ヒアリング評価における更なる配慮の必要性が示された。今後の評価業務においては、評価者の調整・選定による高度化と目利き度向上、効率的なツール活用により業務改善を図ることが求められる。