令和4年度成長型中小企業等研究開発支援事業(中小企業の研究開発支援の在り方の高度化に 関する調査)報告書
報告書概要
この報告は、令和4年度成長型中小企業等研究開発支援事業における中小企業の研究開発支援の在り方の高度化に関する調査について書かれた報告書である。日本の中小企業360万社のうち、現在の「Go-Tech」(旧戦略的基盤技術高度化・連携支援事業)の支援対象は極めて限定的であることから、補助金による個社支援に留まらず、中小企業が積極的に研究開発に取り組める環境整備の重要性を指摘している。全国イノベーション調査2020の結果分析では、イノベーション活動実行率とイノベーション実現率は企業規模に比例しており、小規模企業では活動実行率が45.68%にとどまっている。製造業においても小規模企業の知的財産関連活動や研究開発活動の実施率は限定的であり、従業員教育や有形資産取得が主となっている。中小企業は活用できる自社リソースが限定的であるため、外部研究機関との連携が不可欠であるが、現状では偶然や地縁に依存した連携が多い。このような状況を改善し、イノベーションのエコシステム形成を図るため、産総研や公設試、産業支援財団等の支援機関に関する調査とヒアリング調査を実施した。また、有識者による検討会では、イノベーション・プロデューサーの役割や支援体制について議論され、技術シーズ発とマーケットニーズ発の2つのアプローチの重要性、プロデューサーに求められる翻訳力やコンピテンシー、金融機関の果たすべき役割等が検討された。
