令和4年度産業標準化推進事業委託費(戦略的国際標準化加速事業ルール形成戦略に係る調査研究(宇宙環境保全のルール形成戦略に係る調査研究))調査報告書

掲載日: 2023年10月12日
委託元: 経済産業省
担当課室: 製造産業局航空機武器宇宙産業課宇宙産業室
委託事業者: 学校法人日本大学
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令和4年度産業標準化推進事業委託費(戦略的国際標準化加速事業ルール形成戦略に係る調査研究(宇宙環境保全のルール形成戦略に係る調査研究))調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、宇宙環境保全のルール形成戦略について書かれた報告書である。近年、人工衛星の急激な増加によりスペースデブリの発生が深刻化し、軌道上の過密状態が進行している。この状況を受けて、世界経済フォーラムを中心とした国際機関が宇宙持続可能性格付け(SSR)を開発し、2022年6月より運用を開始した。SSRは人工衛星の宇宙環境への影響を評価し、事業者に格付けを行う認証制度である。報告書では、SSRおよび関連する宇宙環境保全ルールの国内外動向を調査し、米国連邦通信委員会による25年ルールの5年への短縮や、衛星産業協会による宇宙交通管理に関する提言など、各国機関の取り組みを整理した。また、高度な環境保全性を有する衛星コア技術として、電気推進器や軌道離脱技術等の開発動向を分析し、我が国企業の優位性を調査した。市場規模推計では、格付け認証関連ビジネスの国際市場が2030年には約100億円規模に成長する可能性を示した。さらに、我が国がSSRのルール形成において影響力を確保する手法として、運営組織への関与、アジア・太平洋地域での展開、国際認証制度の構築等を検討した。最終的に、改善されたレーティングシステムの構築、国内外への普及戦略、他の宇宙環境保全活動との連携を柱とした包括的な戦略を提案し、我が国が宇宙環境保全のルール形成において主導的役割を果たすための道筋を示した。