令和4年度成長型中小企業等研究開発支援事業(中小企業向け研究開発支援事業における審査スキーム等の高度化・効率化に関する調査)調査報告書

掲載日: 2023年10月13日
委託元: 経済産業省
担当課室: 中小企業庁経営支援部技術・経営革新課
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令和4年度成長型中小企業等研究開発支援事業(中小企業向け研究開発支援事業における審査スキーム等の高度化・効率化に関する調査)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、中小企業庁が実施する成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)の審査スキーム等の高度化・効率化に関する調査について書かれた報告書である。本調査は令和4年度に実施され、従来のサポイン事業から名称変更されたGo-Tech事業における審査業務の効率化と高度化を目的としている。

調査は3つの主要ブロックで構成されており、第1に令和4年度Go-Tech事業の採択事務実施、第2にフォローアップ調査の実施、第3に業務の効率化・高度化のための調査・検証が行われた。採択事務では、外部審査委員による相互評価を活用した評価点の補正、ICT技術を駆使した申請書と技術審査員の専門分野とのマッチング、13分野への技術区分拡大への対応などの新たな取組が実施された。

評価システムについては、約350件の申請書と約500名の外部審査委員に対応可能な仕様で整備され、セキュリティ対策やアクセス制限機能が実装された。しかし第2回公募評価中にサーバー障害が発生し、代替手段での対応が必要となった。フォローアップ調査では、対象995件中855件の事業管理機関から回答を得て、事業終了後5年間では97.5%の高い回収率を達成した。

調査結果から明らかになった課題として、応募件数の減少、特に出資枠でのエントリー数の予想外の少なさが挙げられる。これは「サポイン」から「Go-Tech」への名称変更による周知・認知面の影響が考えられる。また、フォローアップ調査データの整備検証の必要性、相互評価や AIマッチングなどの新手法の効果検証と方法論の見える化が課題として指摘されている。

今後の方向性として、応募数減少への対策、申請書の簡便化、データのデータベース化、フォローアップ調査の拡充が提案されている。さらにシステムの刷新、審査員の拡充、審査ツールの見える化、定量評価の実施、技術区分の見直し、事業化ブラッシュアップの拡張的運用などの改善策が示されている。これらの取組により、Go-Tech事業の審査業務のさらなる効率化と高度化を図ることが期待されている。