令和4年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(アートと経済社会の循環エコシステムの構築に関する調査研究事業)報告書

掲載日: 2023年10月19日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務・サービスグループクールジャパン政策課
元の掲載ページ: 掲載元を見る
令和4年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(アートと経済社会の循環エコシステムの構築に関する調査研究事業)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、アートと経済社会の循環エコシステムの構築について書かれた報告書である。経済産業省が実施した調査研究事業の結果として、文化芸術と実経済社会の間に存在する距離感を解消し、アートを活用した新たな価値創造の仕組みづくりを目指している。

報告書では、現代社会において差別化が困難な状況下で、国や地域固有の文化を活用した付加価値創出の重要性を指摘している。これまでのクールジャパン政策が海外市場獲得に重点を置いていたのに対し、新たに文化創造への再投資を通じた持続的な競争力強化を提唱している。

研究会は「企業・産業」「地域・公共」「流通・消費」「テクノロジー」の4つの観点からアート市場を分析し、各分野における課題と対応策を検討している。企業・産業分野では、アート活用の効果やエビデンスの周知不足、専門家の不足、継続的取組の困難さなどが課題として挙げられている。地域・公共分野では、行政職員のアート素養不足、美術館の資源不足、効果測定や継続性確保の困難さが指摘されている。

流通・消費分野においては、アーティストのキャリアパス限定、海外展開の困難、新たな取引チャネルの必要性などが課題となっている。また、美術館の機能強化、アートアドバイザーや専門家の育成、企業と美術館の連携推進などが横断的な施策として提案されている。

報告書は、アート市場の裾野拡大を通じてアーティストの自立的経済活動を促進し、世界的アーティストを輩出しやすい環境整備により現代のクールジャパン理解促進を図ることを最終目標としている。