令和4年度中部地域ものづくり中小企業の事業化促進支援事業報告書

掲載日: 2023年10月19日
委託元: 経済産業省
担当課室: 中部経済産業局地域経済部産業技術革新課
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報告書概要

この報告は、中部地域のものづくり中小企業における事業化促進支援について書かれた報告書である。

経済産業省中部経済産業局が実施するサポイン事業は、中小企業の製造業基盤技術高度化を通じた国際競争力強化と新事業創出を目的としており、平成17年度から継続実施されているが、事業化率は目標50%に対し実績41.7%に留まっている現状がある。令和4年度においては、ニーズの多様化、プロダクト・ライフサイクルの短縮、新型コロナウイルス感染拡大、DX、カーボンニュートラルなど激変する社会・ビジネス環境への対応が課題となっており、研究開発成果の幅広い事業化可能性検討とスタートアップ手法習得、協業促進による変化対応力と事業化スピード向上が重要視されている。

本事業では、サポイン企業等を研究体制・事業化推進体制・販売チャネルを持つ「自立型企業群」と、リソース不足により市場変化対応力や販売チャネルが脆弱な「事業化支援企業群」にスクリーニングし、2022年9月から2023年3月まで事業化支援機能強化事業と協業による事業化促進支援事業を実施した。事業化支援機能強化事業では事業化レビュー実施、事業化達成手引き書策定、支援手法調査、成果普及啓発を行い、協業促進支援事業ではアクセラレーションプログラム実施、共創マッチング事業実施を展開した。

調査結果では、安定売上計上により事業化達成している企業は27%に過ぎず、73%が事業化に至っていない状況が明らかとなった。事業化課題では市場・顧客ニーズ調査・ターゲティングが36%、企画・ブランディング・事業戦略策定が16%を占め、計画策定段階で課題を抱える企業が多数存在することが判明した。事業化成功事例では、社長自らが能動的に行動し、アドバイザリー企業や研究機関にフィードバック機会を創出することで製品改良につなげる手法が効果的であることが示されている。