令和4年度デジタル取引環境整備事業(アジャイル・ガバナンスの実践事例調査及び検討会運営)調査報告書
報告書概要
この報告は、経済産業省が委託したアジャイル・ガバナンスの実践事例調査及び検討会運営事業について書かれた報告書である。Society5.0の実現に向けてサイバー・フィジカルシステムの社会実装を進める中で、複雑で変化が速いシステムに対応するため、事前に固定されたルールではなく、継続的かつ高速にガバナンスサイクルを回転させるアジャイル・ガバナンスの重要性が指摘されている。経済産業省では2020年から2022年にかけてGOVERNANCE INNOVATIONシリーズとして3作の報告書を公開しており、今年度はその第4弾報告書案の取りまとめを目的として有識者検討委員会を運営した。実施内容として、アジャイル・ガバナンスの実践事例に関する文献調査を5事例程度実施し、特定デジタルプラットフォーム透明化法や電気通信事業法における事故調査、米国FDAのソフトウェア医療機器認証などの事例を調査した。また、Society5.0における新たなガバナンスモデル検討会を第17回から第19回まで計3回開催し、柳川範之東京大学教授を座長とする有識者により議論を行った。さらに同検討会の下にアジャイル・ガバナンス実装のための環境整備に関するワーキンググループを計4回開催し、デジタルプラットフォーム透明化法の運用状況、競争法領域における規制・制裁・責任の一体的改革、個人情報保護における民間主体によるエンフォースメント、訴追延期合意制度などについて具体的な検討を実施した。報告書案のパブリックコメントに向けて英訳及び誌面制作・デザイン業務も実施し、第1弾から第3弾と同様のイラストレーターによる表紙制作も含めて公開用報告書案を制作した。
