令和4年度デジタル取引環境整備事業(デジタル市場に係る商取引の実態把握及びルール整備の在り方に関する調査)調査報告書

掲載日: 2023年11月9日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務情報政策局情報経済課
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令和4年度デジタル取引環境整備事業(デジタル市場に係る商取引の実態把握及びルール整備の在り方に関する調査)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、デジタル市場に係る商取引の実態把握及びルール整備の在り方に関する調査について書かれた報告書である。デジタルプラットフォームは経済社会にとって不可欠な存在となりつつあり、革新的なビジネスを生み出すイノベーションの担い手として、中小企業やベンチャー企業による市場アクセスの可能性を飛躍的に高め、消費者の便益を向上させるなど多くのメリットをもたらしている。他方、デジタルプラットフォーム市場においては、ネットワーク効果や規模の経済性等を通じて独占化・寡占化が進みやすいとされ、取引上依存せざるを得ない事業者との間の取引環境上の問題や、消費者との間でのプライバシー上の懸念等が指摘されるようになってきた。EUでは「デジタル市場法案」等の新たな規制が審議されており、米国においても議会で活発な議論が行われるとともに、司法省や連邦取引委員会による提訴が行われるなどの動きがみられる。日本においても「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」が施行され、経済産業大臣による評価が定められている。調査では、Google、Amazon、Meta、Appleを主要対象として、決算情報、競争政策、プライバシー等の分野における動向を継続的に把握した。パーソナルプライシングについては、消費者の支払い意欲に応じた価格設定により、支払い意欲の低い消費者には利益をもたらす可能性がある一方、支払い意欲の高い消費者には不利益をもたらす可能性があると分析された。ハイブリッドマーケットプレイスにおける自己優遇の問題についても、市場支配力を持つ場合には競争に害をもたらす可能性があることが指摘されている。