令和4年度洋上風力発電の導入拡大に向けた調査支援事業(洋上風力発電の導入拡大に向けた調査検討等支援業務)報告書
報告書概要
この報告は、令和4年度洋上風力発電の導入拡大に向けた調査支援事業について書かれた報告書である。本事業は、洋上風力発電の公募制度における審査・評価プロセスの効率化及び円滑化を目的とした調査検討支援業務として実施された。
報告書の主要な内容は大きく三つの支援業務に分かれている。第一に公募占用計画の審査・評価プロセスの効率・円滑化支援であり、これは総合資源エネルギー調査会及び交通政策審議会の合同会議における論点を踏まえ、審査及び評価を円滑に行うための様式集の修正を行った。具体的には秋田県八峰町及び能代市沖、秋田県男鹿市・潟上市及び秋田市沖、新潟県村上市及び胎内市沖、長崎県西海市江島沖の各海洋再生可能エネルギー発電設備整備促進区域における公募占用指針の記載要領及び様式集を整備した。
第二に公募制度の評価手法検討支援として、専門的知見が必要な項目についてオランダ、英国、米国、台湾、デンマーク、ドイツの六カ国を対象とした洋上風力発電事業に係る公募制度等の海外事例調査を実施した。これらの調査により各国の事業実現性確保のためのプロセス、ペナルティ制度、不可抗力事由の取り扱い等について比較分析を行い、我が国の制度設計への示唆を得た。
第三に合同会議や海外調査等における論点を踏まえた国内洋上風力発電事業計画における事業リスクシナリオの検討支援を行った。これには事業実施体制・事業実施実績、資金・収支計画、運転開始までの事業計画、運転開始以降の事業計画、電力安定供給に関する二十四の主要なリスクシナリオが整理され、各々について未然防止策及びリスク発現時の対策を検討する枠組みが構築された。
報告書には産業連関分析ファイルも含まれ、洋上風力発電事業の地域経済及び国内経済への波及効果を定量的に評価するためのツールが提供されている。これらの成果物は今後の洋上風力発電事業の公募において、事業者の計画策定及び行政機関による審査の両面での活用が期待される。
