令和4年度原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業(周辺地域と連携した広域観光ルートの開発による観光流動の活性化に係る調査事業)調査報告書
報告書概要
この報告は、玄海町を中心とした旧上場4町の広域観光振興について書かれた報告書である。玄海原子力発電所の立地自治体である玄海町は、浜野浦の棚田という観光資産を有しているが、ゴールデンウィーク期間に観光客が集中し、町内の消費受け皿が少ないという課題を抱えている。このため年間を通じた観光流動の拡大と消費促進による地域経済への波及効果を高めることが求められている。
本事業では、玄海町、唐津市の旧肥前町、旧鎮西町、旧呼子町を含む旧上場4町での広域観光圏の形成を目指している。令和4年度の取り組みとして、玄海町と広域の官民で構成される広域検討会を開催し、専門家のアドバイスのもと活動計画を策定した。また広域観光圏の観光関連事業者が集う共創会議を立ち上げ、持続的な観光地域づくりに向けた連携プラットフォームを構築した。
共創会議では観光関連事業者による共創プロジェクトを試行し、モニターツアーを実施することで地域の観光資源の魅力を再認識することができた。さらに旅行会社へのヒアリング調査を通じて、広域観光圏の魅力の情報発信方法と推進体制について検討を行った。
令和5年度以降の活動方向性として、人材育成とネットワークづくりの継続、観光商品開発と販売体制の構築、プロモーションと情報発信の強化、データ収集と分析の継続的実施、活動資金調達の仕組み作りが提示されている。本事業により事業者間のネットワーク形成のキックオフが実現し、今後の広域連携による観光振興の基盤が整備された。
