令和4年度原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業(周辺地域と連携した甑島地域の観光活性化に係る調査事業)調査報告書
報告書概要
この報告は、薩摩川内市の甑島地域における観光活性化を周辺地域と連携して推進することについて書かれた報告書である。令和2年度の甑大橋開通により上甑島と下甑島間の移動が容易となったが、新型コロナウイルス感染症の影響で観光業界が大きく変化する中、甑島と薩摩川内市・いちき串木野市の三つのエリアが一体となった広域観光振興の取り組みを検討した。本事業では移動制限の影響を抑えた事業者間のコミュニケーション体制の構築、各事業者の個性を活かした相乗効果を生む仕組みづくり、三エリア共通のテーマに基づく観光誘客システムの確立を目指した。計画検討会を五回開催し、新しい旅行スタイルの理解促進、資源の洗い出し、中長期滞在者向けサービス提供企業との連携協議、モニターツアーの実施と振り返りを行った。また協議会を二回開催して事業実施の方向性確認と中間報告を実施した。従来の一泊二泊の短期滞在ではなく、中長期滞在者をターゲットとした地域交流型の観光モデルを検討し、滞在拠点の確保や地域住民との交流プログラムの開発を進めた。モニターツアーでは協力事業者の担当者を招へいし、三エリアの観光コンテンツが中長期滞在客の期待に応えられるか、地域コーディネーターとしての家守の役割、拠点候補物件の事業性評価などを検証した。今後の展開として、従来の観光商品とは異なる考え方で中長期滞在者向けの地域交流プログラムの構築、既存体験プログラムの改良による参加促進、地元コーディネーターの育成配置を目指す方向性が示された。
