令和4年度大企業等人材新規事業創造促進事業(人的資本経営に関する調査及び普及啓発事業)報告書
報告書概要
この報告は、経済産業省が実施した令和4年度大企業等人材新規事業創造促進事業における人的資本経営に関する調査及び普及啓発事業について書かれた報告書である。
人的資本経営への注目が高まる中、企業価値評価における人的資本の重要性が増し、国内外で人的資本情報の開示に関する議論が進展している状況を受け、経済産業省では人的資本経営の実現に向けた検討会を設置し、「人材版伊藤レポート2.0」を2022年5月に公表した。本事業では、日本企業における人的資本経営の実現に向けて産業界の対話の場を設け、人的資本情報の開示規制への対応、人的資本経営の実践、企業トップと投資家間での議論を行うことを目的とした。
事業の中核として人的資本経営コンソーシアムを2022年8月25日に設立し、一橋大学CFO教育研究センター長の伊藤邦雄氏を会長とし、キリンホールディングス、リクルート、SOMPOホールディングス、日立製作所、ソニーグループ、アセットマネジメントOneの代表者らが発起人となった。設立時の会員数は320法人であったが、12月時点では437法人まで増加した。
コンソーシアムは総会、企画委員会、実践分科会、開示分科会、会員と投資家との対話の場で構成され、人的資本経営の実践に関する先進事例の共有、企業間協力に向けた議論、効果的な情報開示の検討を行う場として機能している。事業期間中には設立総会と臨時総会を開催し、各分科会での討議を通じて人的資本経営の実践と開示に関する課題と方向性について議論を重ねた。さらにWEBサイトの構築・運営、メールマガジンの配信、会員からの提出物の収集・とりまとめなど、コンソーシアムの継続的な活動基盤を整備した。
