令和4年度省エネルギー等に関する国際標準の獲得・普及促進事業委託費(ルール形成戦略に係る調査研究 (蓄電池の安全性評価に関するルール形成戦略に係る調査研究))調査報告書

掲載日: 2023年11月24日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務情報政策局情報産業課電池産業室
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令和4年度省エネルギー等に関する国際標準の獲得・普及促進事業委託費(ルール形成戦略に係る調査研究 (蓄電池の安全性評価に関するルール形成戦略に係る調査研究))調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、蓄電池の安全性評価に関するルール形成戦略について書かれた報告書である。2050年カーボンニュートラル達成に向けて、蓄電池は自動車の電動化や再生可能エネルギーの主力電源化における重要な新エネルギー基盤として各国で導入が進み市場が拡大している。現在主流のリチウムイオン電池は事故・発火リスクを抱えており、海外では火災事故や大規模リコールが頻発してリチウムイオン電池の安全性への懸念が高まっている状況である。

日本メーカー製の大型リチウムイオン電池を起因とした発火事故は重大事故を引き起こしたことがなく、電池の安全性や信頼性に強みを有していると言われているが、電池の安全性に関する評価手法が十分に整備されていないため性能面における優位性が明確化されていない。本調査では、海外メーカーと比較して日本メーカーが強みを有する領域で競争可能な環境について検討するため、安全性能や長寿命化等の評価項目やその試験方法の検討に必要な情報を収集・分析している。

調査内容は、国際標準とEU、米国、中国、韓国における安全性評価の動向分析として、各国の蓄電池性能評価・安全性評価項目と試験方法および水準、認定スキームの有無と認定主体、設置・運用に関する保安基準と国際基準との比較、海外における事故事例の整理を実施した。また、日本による標準化活動や規制策定に向けた提案として、日本が議論を先導できる蓄電池領域・技術と主要プレーヤーの特定、ルール形成による国際市場規模と省エネルギー効果について分析している。