令和4年度省エネルギー等に関する国際標準の獲得・普及促進事業委託費(ルール形成戦略に係る調査研究(蓄電池のリサイクル・リユース手法に関するルール形成戦略に係る調査研究 ))報告書

掲載日: 2023年11月24日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務情報政策局情報産業課電池産業室
元の掲載ページ: 掲載元を見る
令和4年度省エネルギー等に関する国際標準の獲得・普及促進事業委託費(ルール形成戦略に係る調査研究(蓄電池のリサイクル・リユース手法に関するルール形成戦略に係る調査研究 ))報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、蓄電池のリサイクル・リユース手法に関するルール形成戦略について書かれた報告書である。経済産業省による令和4年度省エネルギー等に関する国際標準の獲得・普及促進事業委託費の一環として実施された調査研究の成果をまとめている。

報告書では、使用済み蓄電池の静脈実態について、日本、韓国、欧州、米国、中国の各国における回収、処理、リユーススキームを比較調査している。各国の主要法規制として、日本では循環型社会形成推進基本法、韓国では資源循環基本法、欧州では新バッテリー規制、米国ではバッテリー法、中国では廃蓄電池回収管理仕様などが挙げられている。

回収義務については、欧州では2023年から電池メーカーに対する電池回収義務化が実施され、ドイツではメーカー販売認可時に回収スキームの提供と承認が必要となっている。また、欧州では2030年から電池製造時に一定以上のリサイクル材の使用義務が課される予定である。一方、米国では連邦レベルでの回収義務はなく、州規制による回収義務が一部で実施されている状況である。

定置用蓄電池の静脈スキームについては、国家もしくは各種団体等で確立されている事例は確認できず、スキーム構築に向けた各種制度整備が各国で進められている状況である。特に欧州・米国では蓄電池メーカーに使用済み蓄電池の回収や静脈スキームの登録・計画を義務付け、中国は車載用電池の定置リユーススキーム構築に注力するなどの特徴が見られる。

国内のリチウムイオン電池適正処理事業者については、焼却破砕選別の設備があり、サイズが適合する企業が定置用の取り扱いも実施していると想定されるが、定置用は流通量が少ないため、処理実態だけでなくケイパビリティ把握も必要である。また、国内市場におけるリン酸鉄リチウム電池を製造する国内セルメーカーは少なく、海外メーカーのシェアが大きい状況が確認されている。