令和4年度新興国等における エネルギー使用合理化等に資する事業(タイ島嶼部における分散型エネルギーシステム導入可能性調査)報告書(英語版)

掲載日: 2023年11月30日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部政策課国際室
委託事業者: 東電設計株式会社
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報告書概要

この報告は、タイのパヤム島における分散エネルギーシステム導入のためのエネルギー監査について書かれた報告書である。東京電力パワーサービス株式会社が経済産業省から委託を受け、2022年12月から2023年2月にかけて実施された調査である。パヤム島は面積約35平方キロメートル、世帯数500戸の島で、現在はディーゼル発電に大きく依存している。1日平均電力消費量は2880kWh、ピーク需要は280kWで、電気料金は21バーツ/kWhと本土の約5倍の高価格となっている。調査では文献調査、現地調査、地元関係者との意見交換を通じて電力供給状況を把握し、再生可能エネルギー、蓄電池、スマートグリッドなどを組み合わせた分散エネルギーシステムを技術的、経済的、環境的観点から検討した。太陽光発電ポテンシャルは年間1836.8kWh/平方メートルと十分であるが、風力発電は平均風速4-5m/sと発電量が限定的であるため、太陽光・蓄電池・ディーゼル発電のハイブリッドシステムを提案している。最適化されたシステム構成として、太陽光発電1.472MW、蓄電池2.420MWh、ディーゼル発電機300kWを提案し、従来のディーゼル発電の電力コスト65.7セント/kWhに対し、提案システムでは24.0セント/kWhまで削減可能である。経済効果として投資回収期間4.53年、経済内部収益率20.8%を達成し、二酸化炭素排出量も年間1056トンから68トンへと93%削減される。さらに住民の生活向上、雇用創出、環境配慮型観光地としての魅力向上などの波及効果も期待される。