令和4年度無人自動運転等のCASE対応に向けた実証・支援事業(自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実証プロジェクト(テーマ3))報告書
報告書概要
この報告は、高速道路における自動運転レベル4トラックの実用化に向けた研究開発・社会実証プロジェクトについて書かれた報告書である。本事業は、物流分野におけるトラックドライバ不足や輸送効率の低下といった社会課題に対し、2025年度以降での高速道路におけるレベル4自動運転トラックの実現を目的として実施された。豊田通商株式会社を幹事機関とし、いすゞ自動車、日野自動車、三菱ふそう、UDトラックスなどの商用車メーカー、先進モビリティ、みずほリサーチ&テクノロジーズ、日本工営などの技術企業、佐川急便、西濃運輸、日本通運などの物流事業者を含む14機関がコンソーシアムを組んで推進された。事業内容は大きく4つの領域に分かれ、事業モデル検討と事業性分析では中堅・中小物流事業者やディベロッパーへのヒアリングを通じて現実的な事業モデルを検討し、走行環境・運行条件の整理では大型車特性を踏まえたODD検証やリスク回避策の有効性検証を実施した。特に中継エリアにおける駐車ます検証実験、合流支援に係るドライビングシミュレータとミクロシミュレーション検証、先読み情報活用、緊急退避対応などの具体的な技術検証が行われた。車両・システム開発では標準評価車両を開発し、リスク回避シナリオ評価や実路データ収集走行を実施して技術的な実現可能性を検証した。さらに海外動向調査や国内関連法令整理、社会受容性醸成のためのイメージ動画制作なども実施された。本プロジェクトは、技術開発だけでなく事業環境整備や社会受容性向上を含む包括的なアプローチにより、高速道路における自動運転トラックの社会実装に向けた基盤構築を図ったものである。