令和4年度産業経済研究委託事業(「新・なでしこ銘柄(仮称)」選定に係るスキーム検討調査事業)報告書

掲載日: 2023年12月21日
委託元: 経済産業省
担当課室: 経済産業政策局経済社会政策室
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令和4年度産業経済研究委託事業(「新・なでしこ銘柄(仮称)」選定に係るスキーム検討調査事業)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、令和4年度の女性活躍推進に優れた上場企業を選定する「なでしこ銘柄」制度について書かれた報告書である。

なでしこ銘柄は平成24年度から経済産業省と東京証券取引所が共同で実施している制度で、女性活躍推進に優れた上場企業を投資家にとって魅力ある銘柄として紹介し、企業の取組み加速化を図ることを目的としている。令和4年度は、近年の人的資本経営への注目や非財務情報開示の議論を踏まえ、制度をリニューアルして実施された。

今回のリニューアルでは、従来の形式的な確認方法を改め、経営戦略と連動した女性活躍推進を行う企業の選定に重点を置いた。各企業は定量調査票と定性調査票の二種類に回答し、女性活躍推進を経営戦略にどう位置づけ、企業価値向上につなげているかという独自のストーリーに着目して評価された。また、女性活躍推進に関する情報開示の促進も図られ、応募企業のデータを積極的に公表することとなった。

選定プロセスでは、まずスクリーニング要件を満たした企業をスコアリングで評価し、その後定性審査を経て最終的に1業種1社を基本として銘柄を選定した。審査では検討委員会が設置され、専門家による多角的な評価が行われた。結果として17社が選定され、これらの企業は東証一部銘柄と比較して優れた業績パフォーマンスを示している。選定企業の売上高営業利益率は市場平均を2.6ポイント、配当利回りは2.8ポイント上回る結果となっており、女性活躍に取り組む企業の競争力の高さが確認された。