令和4年度地域経済産業活性化対策委託費(2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)での東日本大震災からの復興展示の具体化のための調査事業)報告書
報告書概要
この報告は、2025年大阪・関西万博において東日本大震災からの復興を展示するための調査事業について書かれた報告書である。
2011年の東日本大震災及び福島第一原発事故から11年が経過したが、原子力災害被災地域は依然として復興の道半ばにある。しかし、被災地である福島浜通りでは、廃炉ロボットや空飛ぶクルマの実証実験などのイノベーション、水素のまち浪江やロボットのまち南相馬といった新たなまちづくり、震災で失われかけた食や伝統の再興といった熱意ある人々による新たな挑戦が進んでいる。これらの取組は日本や世界の未来社会につながる可能性を秘めているため、万博において複合災害を経験した地だからこそ示せる未来社会を発信することを目的としている。
本調査では、過去の万博展示の参考例調査、福島復興の展示・催事内容案の作成、実施に向けて必要な国等の取組調査、出展主体となり得る企業・団体の調査、被災地への誘客プラン調査、展示・催事以外の取組検討を実施した。展示については「見る・知る」、催事については「体感・共感」、ツアー・誘客については「つながる・コミットする」という段階的なアプローチを採用し、マス層とコア層の両方をターゲットとして設定している。福島の復興を単に紹介するのではなく、「いのち輝く未来社会の実験場 福島版」として新しいチャレンジを促進し、地元企業や人々が将来にわたり主体的に活動発展していく運動体づくりを目指している。
