令和4年度経済産業政策・第四次産業革命関係調査事業(経済産業局の業務DX化とその効果検証のための調査に係る調査業務)事業実施報告書

掲載日: 2024年1月12日
委託元: 経済産業省
担当課室: 九州経済産業局資源エネルギー環境部資源・燃料課
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令和4年度経済産業政策・第四次産業革命関係調査事業(経済産業局の業務DX化とその効果検証のための調査に係る調査業務)事業実施報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、九州経済産業局における業務DX化とその効果検証について書かれた報告書である。九州経済産業局は過去の炭鉱坑道図の保有と地下石炭採掘状況の照会対応、および鉱業法に基づく出願書類の目視確認業務を行っているが、50年以上前に作成された坑道図の経年劣化が著しく、図面ごとに表記がバラバラで読み取りに高い専門性が要求されている。また出願書類の目視確認は複数資料の確認が必要で処理に時間を要している現状である。

この課題解決のため、紙図面や書類のデジタルデータ化を行い、GIS(地理情報システム)、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、AI-OCR(人工知能を活用した光学式文字認識)等のシステム活用による保存・活用の簡素化と効率化を検討している。調査では福岡市、別府市、直方市、苅田町等の自治体事例とG-motty、NTTデータ、UiPath等の民間企業事例を取材し、システム導入業務、運用保守、庁内利用拡大施策、費用対効果、パートナー選定について分析している。

プロトタイプシステムによる効果測定では、GISの活用により年間約140時間の業務時間削減が可能であることが判明した。九州経済産業局の固有業務である紙図面を用いた業務についてはGISとの親和性が高く、鉱業法に基づく出願許可等業務では受理審査や資料作成においてAI-OCRとRPAの活用可能性が示唆された。しかし処理量によってはDXソフトの導入コストや技術習得コストの方が高くなる場合があり、また継続的な効果創出には内部での人材育成体制構築が重要であることが明らかとなった。調査結果は九州経済産業局の業務DX化推進に資する基礎データとして活用される予定である。