令和4年度地球温暖化問題等対策調査委託費(気候変動緩和の科学的根拠に関する国際動向調査)成果報告書
報告書概要
この報告は、気候変動緩和の科学的根拠に関する国際動向調査について書かれた報告書である。公益財団法人地球環境産業技術研究機構が令和4年度に経済産業省の委託事業として実施した調査結果をまとめたものである。
本調査の主要な目的は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次評価報告書完成と第7次評価サイクル開始に向けた国際動向の把握と国内体制の整備である。IPCC第57回総会では第7次評価報告書の基本枠組みが決議され、現在の3つの作業部会と排出量算定タスクフォースの構成が維持されることが決定された。第58回総会では9年ぶりとなる統合報告書が承認・採択され、第6次評価サイクルが完了した。
調査活動として、IPCC総会への出席と専門家派遣を通じた情報収集を実施した。特に第6次評価報告書統合報告書の政府レビューでは、システム研究グループや有識者へのヒアリングによりレビューコメントを検討し、日本政府のコメント作成を支援した。また、IPCC第三作業部会幹事会を主催し、国内の執筆者間の情報交換と連携促進を図った。
アウトリーチ活動では、第6次評価報告書の理解促進を目的としたウェビナーとシンポジウムを開催した。ウェビナーではエネルギーシステム章を詳細に解説し、254名の参加者を得た。シンポジウムでは報告書全体の概要について講演と議論を行い、幅広い関係者の参加を得て気候変動緩和に関する最新知見の普及を図った。さらに、日本の研究者による第6次評価報告書への貢献度調査を実施し、代表執筆者や執筆協力者としての参画状況、引用文献への貢献を分析した。これらの活動を通じて、気候変動対策の科学的根拠に関する国際的な議論への日本の継続的な参画と貢献を支援した。
