令和4年度産業経済研究委託事業(イノベーション創出加速のための企業における「ニューロダイバーシティ」導入効果検証調査事業)報告書

掲載日: 2024年1月25日
委託元: 経済産業省
担当課室: 経済産業政策局経済社会政策室
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令和4年度産業経済研究委託事業(イノベーション創出加速のための企業における「ニューロダイバーシティ」導入効果検証調査事業)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、企業におけるニューロダイバーシティの導入効果を検証した調査報告書である。本調査は、発達障害のある人材の特性を企業活動に活かすニューロダイバーシティという概念について、その導入方法論の有効性を実証的に検証し、普及啓発を目的として実施された。ニューロダイバーシティとは、脳や神経の多様性を尊重し、発達障害を人間のゲノムの自然な変異として捉える考え方であり、特にデジタル分野において発達障害のある人材が持つパターン認識や記憶、数学的能力といった特殊な能力を活用することが期待されている。令和3年度の調査で作成された取組方法論は、取組開始の社内合意、体制・計画づくり、採用、受入れ、定着・キャリア開発の5つのステップから構成されている。本年度は水ing株式会社、ソフトバンク株式会社、日揮パラレルテクノロジーズ株式会社の3社が実証に参加し、方法論を実践した結果、チームの心理的安全性向上やイノベーション創出、生産性向上に一定の効果が確認された。また、ニューロダイバーシティの概念普及のため、日本橋ニューロダイバーシティプロジェクト発足発表会や経済産業省主催ウェビナーなど複数のイベントで発信活動を行い、企業関係者や当事者、支援機関への啓発を推進した。調査結果から、適切な配慮と支援により発達障害のある人材が戦力として活躍できる環境整備の重要性が示され、今後の企業の成長戦略としてニューロダイバーシティの取組拡大が期待されることが明らかとなった。