令和4年度新エネルギー等の保安規制高度化事業(再生可能エネルギー発電設備の分割事案に関する検討調査)に関する調査報告書

掲載日: 2024年1月25日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業保安グループ電力安全課
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令和4年度新エネルギー等の保安規制高度化事業(再生可能エネルギー発電設備の分割事案に関する検討調査)に関する調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、再生可能エネルギー発電設備の分割設置事案について書かれた報告書である。FIT制度導入以降、太陽電池発電設備の導入が急増したが、電気事業法の規制を回避する目的で意図的に設備を分割設置する事例が増加している。本来は高出力の発電設備として適用されるべき工事計画届出、主任技術者選任、保安規程届出などの規制を逃れるため、設備を小規模に分割することで社会的不公平や管理コストの増加が問題となっている。電気事業法施行規則では平成26年からFIT制度認定において同一事業地の大規模設備分割を一つの認定案件として扱う運用を開始し、令和4年には低圧連系太陽電池発電設備にも対応するため「一の構内」の定義を改正した。しかし電気工作物の危険性を考慮した保安規制への影響・課題に対する対応策として更なる整理が必要である。本事業では太陽電池発電設備を主とした再エネ発電設備の分割設置により生じる影響・課題を解決し、適切な保安規制を課すため必要な調査を実施した。保安規制の制度趣旨確認では、平成28年の使用前自己確認制度導入や令和2年の風力発電設備への適用拡大などの経緯を整理した。主任技術者選任では平成25年に外部委託承認範囲を2000キロワット未満に拡大し、令和3年には太陽電池発電設備で5000キロワット未満まで拡大した。有識者検討会を3回実施し、産業保安監督部や一般送配電事業者へのアンケート、自治体ヒアリングを通じて分割設置の実態と課題を把握した。最終的に平成25年版「判断の目安」を更新し、同一発電所及び同一工事の判断基準を明確化したガイドライン案を作成し、事業者の予見可能性向上と適正な保安規制の実施を目指している。