令和4年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(FIT制度におけるバイオマス発電に用いる燃料の持続可能性及びGHG排出量基準等に関する調査)報告書
報告書概要
この報告は、FIT制度におけるバイオマス発電に用いる燃料の持続可能性及びGHG排出量基準等について書かれた調査報告書である。本調査は、2019年度に設立されたバイオマス持続可能性ワーキンググループの議論を受けて実施され、FIT制度におけるバイオマス燃料の持続可能性確保と温室効果ガス排出削減の取り組みを検討したものである。主要な調査項目として、第三者認証制度の評価、ライフサイクルGHG排出基準の策定、食料競合問題の検討、国際動向の分析が含まれている。第三者認証については、ISPO認証、ISCC認証、MSPO認証、農産資源認証協議会による認証の4つを評価し、ISCC(ISCC Japan FIT-Sustainable Palm Oil)およびMSPO Part4を新たに追加認証として承認した。ライフサイクルGHGについては、2030年度以降70%削減、制度開始後2030年まで50%削減の基準を設定し、農産物副産物、輸入木質バイオマス等の既定値を策定した。食料競合については、非可食かつ副産物のバイオマスを食料競合の懸念がないものとして整理した。国際動向では、EU RED2の制度設計進捗や英国RO制度の運用実態を調査し、日本のFIT制度への示唆を得た。これらの検討結果により、バイオマス発電の持続可能性を担保する制度的枠組みが強化され、再生可能エネルギーとしてのバイオマス発電の適切な推進が図られることとなった。
