令和4年度産業経済研究委託事業(「物流の2024年問題」等に対応した物流効率化推進に関する調査研究) 調査報告書
報告書概要
この報告は、経済産業省が令和4年度に実施した「物流の2024年問題」等に対応した物流効率化推進に関する調査研究について書かれた報告書である。
国内物流業界は深刻な構造的課題に直面している。トラックドライバー人口は1995年から一貫して減少傾向にあり、2015年から2030年までに3割の減少が予測されている。この減少の主要因として、ドライバーの年間労働時間が他業種より約400時間長く、年間所得額が低い水準にあることが挙げられる。加えて、積載効率は2016年以降40%以下の低い水準で推移しており、現有の物流リソースを最大限活用できていない状況が続いている。
2024年4月の働き方改革関連法施行により、トラックドライバーへの時間外労働上限規制が適用されることで、物流供給量の更なる減少が見込まれる。現状では年間拘束時間3300時間を超えるドライバーが73.4%を占めており、これらのドライバーの労働時間短縮により物流リソースの逼迫が加速すると予想される。
試算によると、有効な対策が講じられなければ、2025年には国内トラックで運ばれる荷物の28.1%、2030年には34.1%が運べなくなる可能性がある。こうした危機的状況を受け、経済産業省は「持続可能な物流の実現に向けた検討会」を設置し、全7回の検討会を開催した。検討会では物流業界の現状把握から始まり、事業者の課題解決への取組状況、効率化施策の検討が行われた。