令和4年度重要技術管理体制強化事業(バイオテクノロジー分野に係る重要技術・新興技術等の動向調査)調査報告書

掲載日: 2024年2月1日
委託元: 経済産業省
担当課室: 貿易経済協力局貿易管理部安全保障貿易管理政策課技術調査室
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令和4年度重要技術管理体制強化事業(バイオテクノロジー分野に係る重要技術・新興技術等の動向調査)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、バイオテクノロジー分野における重要技術管理体制強化を目的とした経済産業省委託事業による調査報告書である。令和4年度に実施された本調査は、外国為替及び外国貿易法の運用強化と執行体制整備に資する基礎資料の収集を目的とし、特にバイオインフォマティクスとバイオリアクターの2つの技術領域について包括的な分析を行った。

バイオインフォマティクス分野では、生命現象をコンピュータで研究する学問領域として定義され、本調査では合成生物学や物質設計における活用範囲に焦点を当てた。技術概要として、DNA、RNA、タンパク質、化合物などの生体情報を入力データとし、配列解析、構造予測、ネットワーク推定などの解析手法を通じて、生体分子から細胞レベルまでの生命現象を対象とする。合成生物学のDBTLサイクル(Design-Build-Test-Learn)における初期計画段階から設計、構築、評価、学習の各段階で活用される技術として位置づけられている。

バイオリアクター分野では、微生物や動物細胞の培養に用いられる装置として、ステンレス製、ガラス製、シングルユースの分類で整理された。特にシングルユースバイオリアクターは、プラスチック製の培養槽を使用する使い捨て型の装置であり、コロナ禍においてサプライチェーンの重要性が浮き彫りになった。製品容量は50Lから2,000Lまでの広範囲に対応し、バイオ医薬品製造を想定した最新製品では温度、pH、溶存酸素濃度などの制御機能を有している。

両技術分野について、輸出規制の必要性、戦略的不可欠性の獲得に向けた育成技術、戦略的自律性確保のためのサプライチェーン調査が実施され、国際競争力の維持と経済安全保障の観点から重要な知見が得られた。