令和4年度地域一体型オープンファクトリーのイノベーション機能強化等に係る調査事業 報告書
報告書概要
この報告書は、地域一体型オープンファクトリーのイノベーション機能強化等に係る調査事業について書かれた報告書である。関東経済産業局管内において、地域企業が主役となるオープンファクトリーの取組が各地で展開されているが、新型コロナウイルス感染症の影響により各産地間の交流が停滞し、ナレッジ・シェアポートが機能していない状況が生じている。本事業では、関東局管内のオープンファクトリーに取り組むエリア間での情報共有や交流を推進するためのナレッジ・シェアポート創出を目的として、オープンファクトリーのありかた研究会を開催した。同研究会では浅草エーラウンド、おおたオープンファクトリー、台東モノマチ、燕三条工場の祭典等の関係者による議論を通じて、10年間の取組総括を行った。また、オープンファクトリーのイノベーション苗床機能強化については、産地とデザイナー等とのマッチングやコラボ商品開発の取組を拡大・強化するため、専門家を交えた勉強会を実施し、異業種・異業態との共創に向けた要素整理を行った。さらに群馬県桐生市をモデル地域として、先行地域の関係者による現地視察と意見交換を実施した。調査結果では、オープンファクトリーが職人の意識改革、新たなコラボレーション創出、関係人口増加、まちづくりへの貢献等の効果を生み出している一方で、運営体制の負担増、実行委員会の世代交代、予算確保等の課題が明らかとなった。今後の方向性として、産地間のナレッジ・シェアポート構築による情報共有と広域連携の促進、異分野を含む様々な関係者との連携促進、2025年大阪・関西万博を見据えた海外への積極的な情報発信、デザインやプロジェクトマネジメント等の専門人材とのマッチングと共有が提案されている。
