令和4年度成長型中小企業等研究開発支援事業(高度デジタル人材による地域中小企業デジタル化支援可能性調査)報告書
報告書概要
この報告は、高度デジタル人材による地域中小企業のデジタル化支援の可能性について調査したものである。新型コロナウイルス感染症を契機として企業のデジタルトランスフォーメーションが加速している中、大都市圏に比べ地方ではデジタル化対応できる人材が不足している状況にある。そこで経済産業省は、大都市圏に偏在する高度デジタル人材を地域の関係人口とし、地域中小企業のデジタル化を支援する仕組みとして「ふるさとCo-LEADプログラム」を構築した。本調査では、前年度に作成したガイドラインをより多くの地域支援機関が活用できるよう充実化させるため、北海道釧路市、栃木県、石川県加賀市の3地域を実証フィールドとして選定し、実際にプログラムを実行した。実証では、高度デジタル人材の募集・選定、地域中小企業の募集・選定、ミートアップイベント、フィールドワークツアーを通じたマッチング、そしてデジタル技術を活用した新たなビジネスモデル案の協働作成を実施した。参加者に対するアンケート調査を3回のタイミングで実施し、プログラムの改善点や必要要素を抽出した。その結果、各地域で具体的な成果が生まれ、釧路市では観光業界での業務効率化、栃木県では画像処理技術を活用した新規事業創出、加賀市では世界展開を見据えたシステム構築などのビジネスモデル案が提案された。これらの実証結果と有識者ヒアリングに基づいてガイドラインのアップデートを行い、地域支援機関がより効果的にプログラムを実行できる指針を整備した。
