令和4年度地域経済産業活性化対策委託費(放射線量測定指導・助言事業)事業報告書
報告書概要
この報告は、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う工業製品等の風評被害対策について書かれた報告書である。令和4年度に公益財団法人原子力安全研究協会が実施した放射線量測定指導・助言事業の内容と成果をまとめている。事業は福島県を中心とする企業等からの要請に応じて工業製品等の放射線量測定及び核種分析を実施し、指導・助言を行うとともに、風評被害の実態把握及び分析を目的として実施された。川内村事務所と富岡事務所の2か所に放射線専門家を配置し、NaIシンチレーション式サーベイメータ、GM計数管式サーベイメータ、ゲルマニウム半導体検出器を用いて測定を行った。測定実績として、持込測定は0件、現地測定は1企業32試料、核種分析は33企業468試料であり、基準値を超過したものは核種分析の2試料のみであった。現地測定では福島県生活環境部環境共生課の依頼による16企業での測定が行われ、植物系製品とコンクリート製品が多くを占めた。また、過去5年程度の事業利用企業に対してアンケート調査を実施し、風評被害の実態や事業ニーズを把握した。アンケート結果では回答企業の多くが発災から数年間は風評被害を受けていたが、現在も影響を受ける企業は少数であることが判明した。一方で、取引先からの測定結果提出要求は継続しており、今後の効果的な風評被害対策として企業のニーズに応じた柔軟な支援体制の構築が提案されている。
