令和4年度中小企業実態調査事業(商工災害対応業務のDX化とその効果検証のための調査に係る実証等事業)調査報告書

掲載日: 2024年2月15日
委託元: 経済産業省
担当課室: 九州経済産業局産業部中小企業課
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令和4年度中小企業実態調査事業(商工災害対応業務のDX化とその効果検証のための調査に係る実証等事業)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、令和4年度に実施された商工災害対応業務のDX化とその効果検証に関する調査報告書である。近年頻発する自然災害に対応するため、中小企業庁や地方経済産業局等が連携して商工被害を迅速に把握し、激甚災害指定の判断や対策検討を行っているが、災害発生直後の初動フェーズにおいて被災状況の情報不足、現地調査結果の集約に要する時間と手間、個社・地域単位での被害額算出の困難さといった課題が存在している。これらの課題解決のため、国・自治体・商工団体等が共同利用するクラウド上のDXツール「商工災害対応支援ツール(Cidat)」のプロトタイプを開発し、九州管内の一部自治体・商工団体等と連携した実証テストを実施した。本ツールはMicrosoft Power Platformを基盤として開発され、被害情報の迅速な収集・共有、自動集計・分析、地図表示、データ出力機能を有している。2023年3月に九州域内4カ所で24機関が参加する実証テストを実施した結果、参加機関から高い評価を得て、操作の容易性、スマートフォンからの利用可能性、省力化効果が確認された。しかし全国展開に向けては、操作方法に関する分かりやすい情報提供、低コスト化と負荷容量増大への対応、普及促進のための連携体制構築といった課題が抽出された。本ツールは従来の商工災害対応を大幅に迅速化・効率化・省力化するポテンシャルを有する重要なDXツールであり、今後は九州規模への拡大実証を通じて具体的解決策の検討・検証を行うことが有効である。