令和4年度地方経済産業局連携による地域一体型オープンファクトリー等を中心とした地域企業群の「予定調和のない共創」を繋ぐ「ナレッジシェア・ポート(知識移転の場)創出」実証事業報告書
報告書概要
この報告は、地域一体型オープンファクトリーを中心とした地域企業群の共創に関するナレッジシェア・ポート創出実証事業について書かれた報告書である。
関西では中小企業が主役となる地域一体型オープンファクトリーが各地で誕生しており、これらの取組を通じて様々なイノベーションが生まれているが、社会認知度が十分でない課題があった。令和2年度調査では地域一体型オープンファクトリーがイノベーションの苗床となる「サードプレイス」として機能することを示し、令和3年度調査では「産地間連携」における可能性を考察し、ナレッジシェア・ポートの発展可能性を示唆した。本年度は「越境人材」同士が出会う知識移転の場を実証的に創出し、イノベーション・エコシステムのアクセル・ポイントを明らかにすることを目的とした。
事業内容は全国の取組の可視化、ナレッジシェア・ポート実証調査、各地方経済産業局の知見融合調査を軸とし、ヒアリング調査、研究会開催、実証イベント、冊子データ作成等を実施した。研究会では社会認知獲得のため、ニュース・バリュー、受け手との共感の作り方、期待感を高揚させるフック、最適な媒体選択の4つのポイントを重視し、メディアと地域が協働してコンテンツを作成することの有効性が指摘された。
今後の展望として、オープンイノベーション2.0の概念を踏まえ、地域一体型オープンファクトリーを「Local X Lab.」という上位概念で示唆している。これは地域の特性を活かした多様な集団がソーシャル・グッドに取り組むコミュニティを表し、従来の産業集積から多様なプレイヤーが参画する新たな形態への発展を提示している。
