令和4年度「デジタルプラットフォーム構築事業(経営革新計画制度の高度化に向けた実証研究)」調査報告書

掲載日: 2024年2月22日
委託元: 経済産業省
担当課室: 中小企業庁経営支援部技術・経営革新課
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令和4年度「デジタルプラットフォーム構築事業(経営革新計画制度の高度化に向けた実証研究)」調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、令和4年度に実施された経営革新計画制度の高度化を目指したデジタルプラットフォーム構築事業について書かれた報告書である。本事業は、中小企業の経営革新計画申請手続きを電子化し、申請者と都道府県双方の負担軽減および業務効率化を図ることを目的として実施された。

令和4年度の事業では、前年度の調査成果を踏まえて汎用的なシステム仕様を策定し、株式会社セールスフォース・ジャパンのクラウドサービスを活用したプロトタイプ環境を構築した。このシステムは、申請情報管理、審査進捗管理、集計・可視化機能を備え、GビズIDとの認証連携により申請者の利便性向上を図っている。また、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)に登録されたクラウドサービスを使用し、高いセキュリティ水準を確保している。

実証活動は令和4年12月6日から令和5年1月13日まで実施され、北海道から沖縄県まで30都道府県が参加した。実証は申請プロセスと受付・審査・承認プロセスの2段階に分けて行われ、申請登録から承認通知までの一連の業務フローを検証した。利用者数は外部アカウント85件、内部アカウント76件、検証用GビズプライムID申請者286件であり、ヘルプデスクでは75件の電話対応を実施した。

実証活動後のアンケート結果では、システムの活用しやすさや業務効率化の評価が十分とは言えない状況が明らかとなった。これを受けて、利用者からの機能ニーズや要望を収集し、優先度を付けて対応する必要性が確認された。また、施策の効果検証のための仕組み作りとして、バランススコアカード(BSC)の手法を用いてKPI項目と評価指標を整理し、申請事業者の負担軽減総額や都道府県の負担軽減総額、電子申請利用率、満足度向上などの指標を設定した。

効果測定のためのデータ取得方法については、電子申請システムの機能を利用した取得、アンケート調査による取得、事業運営過程での報告資料からの取得など、複数の手法を組み合わせることが検討された。さらに、将来的なデータ利活用による新たな中小企業支援の可能性についても調査が行われ、匿名性を担保したオープンデータの提供について検討が進められている。