令和4年度ヘルスケアサービス社会実装事業(国内外での健康経営の普及促進に係る調査)報告書
報告書概要
この報告は、令和4年度に実施されたヘルスケアサービス社会実装事業における国内外での健康経営の普及促進に係る調査について書かれた報告書である。
経済産業省による健康経営銘柄及び健康経営優良法人認定制度の推進により、令和3年度の申請数が大企業・中小企業を合わせて1万5千件を超え、健康経営度調査の回答データが蓄積された状況を受けて実施された調査である。本報告書は4つの主要な調査項目から構成されている。
第一に、健康経営の効果分析に関する調査では、これまでの健康経営度調査の回答データを最大限活用し、健康経営に取り組む効果やメリットに関する分析を実施した。複数の企業による分析により、健康経営優良法人の方が全ての項目でスコアが高く、ワークエンゲージメント、プレゼンティーイズム低減、ストレス軽減に効果のある施策が確認された。また、KPI指標の深堀分析により、多様な把握方法が見える化され、設問設計の改良案も示唆された。
第二に、健康経営の国際展開に関する調査として、新たな需要創出に向けた顕彰制度の輸出と非財務情報開示の枠組みにおけるルールメイキングが実施された。海外市場調査により、大規模上場企業に対する福利厚生の開示義務化を背景として、インド市場が最も有望な展開先として選定された。商工会議所や公的な国際機関を通じた顕彰制度の輸出が可能であることが確認された。
第三に、ヘルスケア産業の市場変化及び展望に関する調査では、ヘルスケア産業の市場規模推移と今後の展望について分析が行われた。2050年に向けて、健康経営を支えるサービス及び予防の占める割合が増加することが予測され、ヘルスツーリズムやフィットネスクラブ市場において行動変容を促すサービスの重要性が示された。
これらの調査結果を総合し、国内外における健康経営の更なる普及促進に取り組み、予防・健康づくりのアプローチに資する新規ビジネスの創出等を推進する観点から、需給両面でヘルスケアサービスの社会実装を推進することが本事業の目的として達成された。
