令和4年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(繊維資源の循環利用に関する調査)調査報告書

掲載日: 2024年3月13日
委託元: 経済産業省
担当課室: 製造産業局生活製品課
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報告書概要

この報告は、令和4年度に実施された繊維資源の循環利用に関する調査について書かれた報告書である。国内人口減少や世界的なサステナビリティへの関心の高まり、新型コロナウイルスの影響により厳しい状況にある繊維産業において、EU等の海外では繊維リサイクルに関する法令整備が進展する中、日本では廃棄される衣料が約65%、リサイクルは1%程度に留まっている現状を受けて実施された。調査では繊維資源の循環利用に向けた検討会を計4回開催し、回収、分別・再生、製造、販売の各フェーズにおける課題を整理した。具体的には、自治体における資源回収の仕組み不備、生活者の意識改革の必要性、法制度整備の必要性、選別作業の効率化、繊維リサイクル技術の高度化、付加価値を維持したマテリアルリサイクル用途開発、リサイクル繊維等の評価指標や認証整備、易リサイクル設計の導入等が課題として挙げられた。また、繊維リサイクル技術開発に関するヒアリング調査を実施し、環境配慮設計の導入事例を整理するとともに、次代を担う繊維産業企業100選の選定及び表彰を行い、優れた技術や取り組みを持つ企業の社会的認知度向上とビジネスチャンス拡大を図った。報告書では選定企業の具体的な取り組み事例として、AI活用による在庫適正化、超寿命機能素材の開発、10年間劣化しない防水素材、洗濯時の繊維くず発生抑制、リペア・リユースサービス等が紹介されており、これらの取り組みを通じて繊維産業の活性化と循環型経済の確立を目指している。