令和4年度事業環境向上等委託事業(企業の雇用状況等に関する調査研究)報告書

掲載日: 2024年3月13日
委託元: 経済産業省
担当課室: 経済産業政策局産業人材課
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報告書概要

この報告は、令和4年度における企業の雇用状況と賃金動向について調査分析した報告書である。経済産業省および中小企業庁が実施した調査で、上場企業314社と中小企業5,109社を対象としている。令和4年春闘では企業全体の賃上げ率が2.07%となり、3年ぶりに2%を上回る水準に達したが、エネルギー価格や物価高騰により賃上げが物価上昇に追いついていない状況が指摘されている。労働市場については、有効求人倍率がコロナ禍で1.0倍まで低下したものの、2022年末には1.4倍近くまで回復し、完全失業率も2.5%程度まで改善している。企業の人手不足感は業種により差があるが、特に建設業とサービス業で顕著となっている。上場企業調査では、人材確保等促進税制や賃上げ促進税制の利用実績を分析し、企業の人員計画や給与水準の決定方針について詳細に調査している。中小企業調査では、所得拡大促進税制や賃上げ促進税制の利用状況を把握し、最低賃金引上げや社会保険適用拡大の影響を分析している。退職給付制度については、社内準備の退職一時金が36.1%で最も多く、中小企業退職金共済制度が32.1%となり、制度見直しについては9割以上の企業が現状維持としている。この調査結果は、ポストコロナを見据えた企業の人材戦略や雇用政策の効果を評価する重要な基礎資料となっている。