令和4年度地球温暖化対策における国際機関等連携事業委託費(「TCFD サミット」開催及び各国サステナブル・ファイナンス政策等の動向調査に関する委託調査)報告書(公開版)
報告書概要
この報告は、令和4年度に開催されたTCFDサミット2022について書かれた報告書である。同サミットは令和4年10月5日にオンライン配信で開催され、気候変動対策における金融の重要性が増す中、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による気候関連財務情報の開示推進を目的として実施された。開催時点でTCFD賛同者は世界で3,819機関、日本では1,062機関まで拡大しており、経済と環境の好循環実現に向けた開示の質向上が重要な課題となっていた。サミットでは産業界・金融界のリーダーが参加し、GX実現には幅広い技術やエネルギー源を活用したトランジションの加速化と革新的なイノベーションの創出が重要であること、リスクだけでなく機会を特定した開示の促進が脱炭素化シフトに不可欠であることが確認された。また金融機関側には企業の取組・戦略を中長期的視点で評価することが求められ、企業側にはエンゲージメントに耐えうる情報開示の対応強化が望まれることが議論された。トランジション・ファイナンスの自律的な民間資金供給拡大に向けては、企業が描くトランジションの道筋に対する信頼性向上が重要であり、新技術や開発動向に係る企業情報開示に加えて政府による資金供給面での支援・関与も必要であることが確認された。さらに同サミットではTCFDガイダンス3.0が発信され、日本のサステナビリティマネジメントの高度化に向けた取組が推進された。
