令和4年度産業標準化推進事業委託費 戦略的国際標準化加速事業:ルール形成戦略に係る調査研究再生医療等製品の製造に供するヒト細胞原料の安定供給に関する調査 報告書

掲載日: 2024年3月13日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務・サービスグループ生物化学産業課
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令和4年度産業標準化推進事業委託費 戦略的国際標準化加速事業:ルール形成戦略に係る調査研究再生医療等製品の製造に供するヒト細胞原料の安定供給に関する調査 報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、再生医療等製品の製造に供するヒト細胞原料の安定供給に関する国際動向を調査した報告書である。経済産業省の委託により株式会社シード・プランニングが実施し、一般社団法人再生医療イノベーションフォーラムが支援した調査である。

調査の背景として、国内外で再生医療等製品の開発が活発化する中、国内におけるヒト細胞原料の安定的な供給促進が必要不可欠となっており、採取機関や仲介機関との連携体制、法的・倫理的・社会的課題の整理、共通化された作業手順等の整備が求められている。経済産業省とAMEDでは2018年度から安定供給モデル事業を実施し、ガイダンスの策定や共通的な手順等の検証に取り組んでいる。

本調査では、米国、英国、EU、韓国における法令や規制当局のガイドラインを詳細に分析した。米国では連邦食品医薬品化粧品法に基づく規制があり、施設登録は必要だがFDAの査察可能性は低く、製薬企業による採取施設の適格性評価が重要視されている。英国では2004年ヒト組織法により組織取り扱い事業者と採取事業者が区別され、採取施設にはリスク評価や記録・報告書作成が義務付けられている。EUでは2022年に新たな規制案が採択され、血液、組織、細胞等を一つの指令でカバーする統合的なアプローチを採用している。

第三者認定機関として、AABB、FACT、JACIE、AATBといった機関が存在し、それぞれ異なる専門分野でヒト細胞原料の採取、保存、輸送等のプロセスを担う施設の認定を行っている。これらの認定機関は国際的な品質基準の維持と向上において重要な役割を果たしている。

調査結果を踏まえ、我が国の取るべき戦略として、諸外国の動向を分析し、日本と欧米の現状を比較検討した。欧米では既に確立された供給体制と認定制度があるのに対し、日本では制度整備が進行中である。今後は国際標準への適合性を確保しつつ、日本独自の強みを活かした戦略的な取組が必要である。