令和4年度コンテンツ海外展開促進事業(Web3.0時代におけるクリエイターエコノミーの創出に係る調査事業)報告書

掲載日: 2024年3月13日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務情報政策局コンテンツ産業課
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令和4年度コンテンツ海外展開促進事業(Web3.0時代におけるクリエイターエコノミーの創出に係る調査事業)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、Web3.0時代におけるクリエイターエコノミーの創出について書かれた報告書である。経済産業省による令和4年度コンテンツ海外展開促進事業として実施された調査により、アニメや漫画・ゲームを中心とした日本のコンテンツ産業におけるWeb3.0・メタバースの活用可能性が検討されている。

調査では、事業者・有識者へのインタビューを通じて、クリエイターエコノミー創出に向けた12の課題が抽出された。これには、コンテンツの権利保護、許諾の明確化・簡易化、国際的な権利保護、クリエイターの経済的地位向上、一次創作者への収益還元、専用デバイスの価格問題、リテラシー浸透、専門人材不足、体験施設整備、技術支援、規格統一化、デバイスの技術進化が含まれている。

Web3.0・メタバース活用による期待効果として、クリエイターの経済的地位・収益性向上、裾野拡大、制作体制変革、流通構造改革、体験価値創出、権利保護が挙げられている。実証実験参加者へのアンケートでは、メタバースにおける二次創作や相互運用性、NFT活用に対して肯定的な意向が確認された。

クリエイター保護の論点として、一次・二次創作物の権利帰属、利用範囲の決定権、収益還元の条件設定が検討されている。相互運用性とNFT活用の実現に向けては、プラットフォーム運営者の利益創出問題、異なる設計思想間の技術的連携、NFT規格統一、体験価値創出といったハードルが明らかになった。

研究会では、1億総クリエイター社会に向けた裾野拡大、国内クリエイター及びコンテンツのグローバルプレゼンス向上、クリエイターの経済的・社会的地位向上という目標が設定された。これらの実現には、コンテンツ制作の高いハードル、海外発信力、ユースケース浸透が注力すべき課題として認識されている。海外事例調査では、Web3.0技術における日本の基盤技術レイヤー開発の遅れが指摘され、人材育成の必要性が強調されている。法制度面では日本が特に後れを取っている状況ではないものの、先進事例を参考とした議論の継続が求められている。