令和4年度無人自動運転等のCASE対応に向けた実証・支援事業(自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実装プロジェクト(テーマ2))公表用調査報告書
報告書概要
この報告は、令和4年度における自動運転レベル4等先進モビリティサービスの研究開発・社会実装プロジェクトのテーマ2について書かれた報告書である。
本プロジェクトは、CASE対応やカーボンニュートラルを背景とし、持続可能なモビリティ社会の実現と環境負荷低減、移動課題解決を目指している。2025年度までに50箇所程度で無人自動運転移動サービス(レベル4)を実現することを目標としており、高度化検討と多様化検討の二つのアプローチで進められている。
高度化検討では、日立地域のひたちBRTをモデル地域として選定し、2023年度のレベル3以上の社会実装に向けて現地実証実験を実施した。実証実験は専用区間での走行を想定し、安全設計手法やセーフティアセスメント手法の検討を行っている。車両システムの開発では、走行分類に応じた機能追加や認識システムの性能確認が実施され、遠隔監視システムや走行環境整備、インフラ連携システムの構築が進められた。
多様化検討では、タスクフォースを設立して外部有識者を含む幅広い議論を展開し、自動運転移動サービスの類型化やODD設定プロセス、セーフティアセスメントガイドラインの検討を行った。複数のモデル地域における事業モデルの分析も実施され、各地域の特性に応じた実装パターンが検討されている。
技術面では、車両の認識性能評価、安全走行設計手法の確立、簡易仮想環境の構築による危険シナリオの作成などが実施された。また、社会受容性の観点から、アンケート調査やグループインタビューを通じて住民の意見収集と分析も行われている。本プロジェクトは、テーマ間連携を重視し、関係省庁との定期的な報告・調整を行いながら、自動運転レベル4の社会実装に向けた包括的な取組を推進している。
