令和4年度地球温暖化・資源循環対策等に資する調査委託費(令和3年度実績に基づくカーボンニュートラル行動計画の削減効果評価等事業)調査報告書
報告書概要
この報告は、令和3年度実績に基づくカーボンニュートラル行動計画の削減効果評価について書かれた報告書である。
日本政府の地球温暖化対策計画に基づき、産業界が自主的に取り組むカーボンニュートラル行動計画の2021年度実績について評価・検証を実施した結果をまとめている。評価対象は経済産業省所管41業種と環境省所管3業種を中心とした産業界における温室効果ガス削減の取組である。
2021年度実績において、44業種中11業種が2030年度目標水準を既に上回っており、31業種が基準年度比で削減傾向を示している。一方で、目標水準に達していない業種については進捗率が様々であり、化学工業協会は進捗率がマイナス17%となっている。15業種が前回から目標の引き上げや見直しを実施し、電気事業低炭素社会協議会はCO₂排出原単位目標を0.37から0.25kg-CO₂/kWhに強化した。
評価・検証においては、国内企業活動における削減目標の妥当性、低炭素製品・サービスによる他部門への削減貢献、海外での削減貢献、革新的技術の開発・導入という4つの視点から審議を行った。低炭素製品・サービスによる他部門での削減貢献については多くの業種がリストアップを実施しているが、定量化まで達成している業種は限定的である。
将来の削減効果試算では、電力排出係数を線形補完したケースで2030年度の目標排出量を4億1178万t-CO₂と推計し、2013年度比21.26%の削減効果を見込んでいる。産業界の自主的取組による削減貢献量は2030年度に約7544万t-CO₂となる見通しである。今後の課題として、目標の更なる引き上げや削減貢献の定量化手法の確立、2050年カーボンニュートラルに向けた長期ビジョンの策定が重要であるとしている。
