令和4年度燃料安定供給対策に関する調査等(バイオ燃料を中心とした我が国の燃料政策の在り方に関する調査)報告書
報告書概要
この報告は、令和4年度燃料安定供給対策に関する調査として、バイオ燃料を中心とした我が国の燃料政策の在り方について書かれた報告書である。
2021年に閣議決定された第6次エネルギー基本計画に基づき、2030年度の温室効果ガス排出削減目標と2050年カーボンニュートラル実現に向けた燃料政策の道筋が示された。本調査では、バイオエタノール、持続可能な航空燃料(SAF)、バイオディーゼル等のバイオ燃料について、国際的な導入状況、研究開発動向、導入促進策を調査し、関係事業者や有識者との議論を通じて今後の政策の在り方を検討することを目的としている。
世界のバイオ燃料市場は、COVID-19パンデミックの影響で一時的に減少したが、2021年以降回復傾向にある。エタノール生産では米国とブラジルが世界の約73%を占め、バイオディーゼル生産ではEUが首位である。原料として、エタノールは約59%がトウモロコシ、22%がサトウキビから生産され、バイオディーゼルは約73%が植物油、21%が廃食油から製造されている。
各国の動向調査では、米国、ブラジル、EU、中国、インド、東南アジア諸国等の具体的な政策や導入状況が詳細に分析されている。SAFについては、廃食用油や獣脂を原料とするHEFAが製造設備の71%を占め、世界各地で製造プラントの建設が計画されている。国内航空産業では、JALが2030年に全搭載燃料の10%をSAFにする目標を掲げ、ANAも同様の取り組みを進めている。