令和4年度国内石油天然ガスに係る地質調査・メタンハイドレートの研究開発等事業(上流開発企業の総合エネルギー産業への転換に向けた人材育成・確保事業)調査報告書
報告書概要
この報告は、石油・天然ガス業界から総合エネルギー産業への転換に向けた人材育成・確保について書かれた報告書である。2016年のパリ協定以降、2050年カーボンニュートラル達成に向けた国際的な取り組みが本格化し、各国政府は炭素削減目標を設定したものの、具体的な方策については短期的な対応に留まり長期的見通しは不明確な状況にある。主要石油ガスメジャー企業であるBP、Shell、TotalEnergies、Chevron、ExxonMobil、Petronas、Ørstedは全て2050年カーボンニュートラル達成を表明しているが、その範囲や達成方法には違いが見られる。TotalEnergiesやBPは再生可能エネルギーへの積極投資により総合エネルギー企業への転換を進める一方、ChevronやExxonMobilは石油ガス事業継続を基本路線としつつCCS技術等による脱炭素化を重視している。各企業は石油ガス事業の効率化と脱炭素化、新エネルギー分野への対応、グローバルな人材獲得競争という三つの共通した経営課題に直面している。特に人材獲得においては、従来の石油ガス技術に加えて再生可能エネルギー、デジタルトランスフォーメーション、AI技術等の新たな専門知識を有する人材の確保が急務となっており、世界規模での激しい競争が展開されている。
