令和4年度補正脱炭素燃料サプライチェーン構築事業(エネルギー・トランジション時代に求められる資源ビジネスモデルの変化とファイナンスについての調査事業)最終報告書

掲載日: 2024年3月14日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁資源・燃料部資源開発課
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令和4年度補正脱炭素燃料サプライチェーン構築事業(エネルギー・トランジション時代に求められる資源ビジネスモデルの変化とファイナンスについての調査事業)最終報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、エネルギートランジション時代における資源ビジネスモデルの変化とファイナンスについて書かれた報告書である。主要なテーマとしてLNGの長期的見通しとガス市場の発展、さらにブルー水素・アンモニア活用への転換が取り上げられている。

ブルー水素・アンモニアプロジェクトのスケールアップには五つの重要な課題克服が必要とされている。まず、プロジェクトへの融資とボリューム契約では、オフテイクとキャッシュフローの不確実性管理が求められ、長期供給確保のための契約メカニズム促進が重要である。ブルー水素契約の指数はガスやLNGに連動する可能性が高く、プロジェクトを初期開発からFIDまで推進する必要がある。

次に、サプライチェーン制約の克服では、迅速な製造自動化とスケールアップ実行によりCCS技術コスト削減を図り、性能・コスト・製造を考慮した設計最適化が必要である。価格変動と原材料・部品不足の管理、水素人材へのアクセス確保も課題となっている。

規制対応においては、現在および予想される標準や証明書の理解、許可取得までの長期スケジュール管理、CCUSの規制枠組み構築が必要である。メタンとCO2漏出軽減により環境影響を最小限に抑制し、ガスから水素への明確な移行経路設定が求められる。

インフラ構築では、水素エコシステムのインフラ構築または改修計画作成、炭素貯蔵適地の特定、必要なパートナーシップと契約構築が重要である。メガプロジェクトのリスク回避と最適化も課題となっている。

さらに、既存LNGアセットの水素・アンモニア転用により長期的な座礁資産化回避の可能性が示されている。港湾インフラの転換では、既存施設の改造活用が可能であり、LNGと同様の技術的・商業的能力と顧客関係の活用が期待されている。