令和4年度第2次補正予算探究的な学び関連サービス等利活用促進事業(探究学習研修会等実施事業)報告書
報告書概要
この報告は、令和4年度第2次補正予算による探究的な学び関連サービス等利活用促進事業について書かれた報告書である。経済産業省が推進する「未来の教室」ビジョンの実現に向けて、学校における探究学習等を推進するため、探究学習研修会等の取組を実施した事業の成果をまとめている。
事業の背景として、経済産業省は2019年に「未来の教室」ビジョンを策定し、学びのSTEAM化、個別最適化された学び、教育環境の整備という3つの柱を掲げた。高校で探究が科目化されるなど教育現場での導入が進む中、予算不足や人材不足、サービス選択の困難さといった課題が浮上していた。また産業構造審議会教育イノベーション小委員会での議論を踏まえ、時間・空間、教材、コーチという要素の組み合わせ向上と動機の再デザインが必要とされていた。
本事業では全国9か所とオンラインで探究・情報教育体験研修会を開催し、基調講演、特別セッション、模擬授業、交流会、ワークショップ、事業者ピッチプレゼン、サービス体験会などを実施した。各会場では教職員が参加しやすい夏季・冬季休暇期間を選び、ハイブリッド形式やオンライン開催により参加機会を拡大した。また探究学習支援サービス等を提供する事業者を一堂に集め、実際のサービス体験や相談の機会を創出した。
さらにポータルサイト「探究先生」を構築し、探究学習支援・情報活用能力育成支援サービスを集約してデータベース化した。教職員が条件を絞り込んでサービスを検索し、気になるサービスの資料を一括請求できる機能を提供している。サイトには46のサービスが掲載され、月間数千セッションのアクセスを記録している。
事業の成果として、先進的な学校や自治体の事例共有により教育現場でのベストプラクティスが広まり、事業者のサービス体験により探究学習・情報教育への理解とモチベーションが向上した。また交流会やワークショップを通じて教員の異業種との関わりが促進され、メンターケアによる個別相談窓口の設置により教員のネットワーク拡大が図られた。次年度に向けては、首都圏と地方都市でのリアル開催とオンライン開催の併用、インプットだけでなくアウトプット機会の創出を重視した内容設計が提案されている。
