令和4年度補正海外需要拡大事業(国際競争力強化に向けた文化創造産業戦略に関する調査研究事業)調査報告書

掲載日: 2025年3月11日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務・サービスグループ文化創造産業課
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報告書概要

この報告は、日本の文化創造産業における国際競争力強化に向けた戦略について書かれた報告書である。令和4年度補正海外需要拡大事業として実施され、コンテンツ産業の海外展開状況を韓国等の諸外国と比較しながら調査分析を行った内容となっている。

報告書では、日本が少子高齢化・人口減少に直面する中、世界の中間層の成長と消費拡大を背景として、ブランドや文化等の無形資産分野での海外市場獲得が不可欠であることを指摘している。クールジャパン政策開始以来、コンテンツ分野の輸出額増加やアニメ市場の伸張など一定の成果が確認される一方、実写映画・放送コンテンツ・音楽等の海外展開が韓国等と比較して遅れていることが課題として挙げられている。

調査結果によると、2010年から2021年にかけて日本のコンテンツ国内市場は人口減少にも関わらず拡大しており、特にデジタル化・配信市場の拡大が大きな要因となっている。映像、アニメ、出版、音楽、ゲームの5分野合計で8兆2,058億円から9兆3,237億円に成長した。世界市場における日本のシェアは1.2%から4.2%に増加し、特にアニメ分野では24.7%から55.9%と大幅に拡大している。

ゲーム産業においては、モバイルゲームが最大市場を形成し、日本企業が得意とするコンソールゲーム市場も底堅く推移している。しかし、クラウドゲームの普及やIPのライフサイクル、ゲームのコミュニティ化など、既存の市場環境を大きく変える要因に注視が必要である。また、eスポーツ市場は2021年に78.4億円となり、2025年には約180億円まで拡大する見込みとなっている。