令和6年度エネルギー需給構造高度化対策調査等事業(2050年カーボンニュートラル実現に向けた中小企業の構造転換のための調査事業)最終報告書

掲載日: 2025年3月11日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部省エネルギー課
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令和6年度エネルギー需給構造高度化対策調査等事業(2050年カーボンニュートラル実現に向けた中小企業の構造転換のための調査事業)最終報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、2050年カーボンニュートラル実現に向けた中小企業の構造転換のための調査事業について書かれた報告書である。資源エネルギー庁が実施したこの調査では、パリ協定の合意を受けて日本が掲げた2030年度温室効果ガス46%削減および2050年カーボンニュートラル実現という国際公約を背景に、エネルギー効率改善に向けた省エネ技術のイノベーション促進の必要性を検討している。

調査は国内外動向調査、事例調査、省エネ効果量試算、アンケート調査の4つのアプローチで実施され、特にデジタル技術を活用したAIやIoT、統合マネジメントシステムによる省エネポテンシャルに注目している。産業・家庭・業務・運輸の各部門において、ヒートポンプ給湯機、ICT機器の高効率運用技術、高効率加熱技術、電動車関連技術という4つの重点分野を設定し、日米欧中の省エネ政策と技術動向を調査している。

主要な調査結果として、欧州ではIndustry4.0によるスマートファクトリー化が進展し、シーメンスやシュナイダーエレクトリックなどの大手プレイヤーが40-75%のエネルギー削減を実現する事例が確認された。また、EU圏ではeBRT2030プロジェクトとして高速輸送バスの電動化・自動化をスマートシティのデータ連携基盤と統合し、都市規模でのエネルギー効率化を推進している。

約1100社にアンケートを実施し約130社から回答を得た分析では、大企業の方が中小企業よりもデジタル化への取組を先行して開始していることが判明した。省エネ技術導入の課題として、企業規模を問わず費用対効果、人材の質量、技術面といったハード面が共通の障壁となっている。また、中小企業では大企業と比較してケイパビリティ不足により補助金を活用できていない実態が浮き彫りになっている。